海外法人設立:香港

香港

1.中国などアジアビジネスにおける拠点

外務省によると香港在住邦人は2万人以上。
アジアのおけるビジネスを展開する点で、香港はアジアの拠点になります。
香港企業は経済貿易緊密化協定(CEPA)によって、中国との貿易にあたり関税などの点で優遇されます。日本の企業として直接に中国に進出するよりも、香港での会社を設立してから中国に進出するほうが有利です。
中国大陸との経済的一体性はもちろんのこと、アジア各国ともアクセスが良いため、香港には外資企業のアジア拠点が数多く置かれています。

2.税制での優遇

相続税や贈与税、投資利益に対する非課税などは有名な話ですが、香港は税率が低いうえに税制もシンプルです。
日本での行う業務を香港で行った場合、支払う税金の額は相当程度低くなります。
もっとも香港における経済活動の実態がない場合などは、日本におけるタックスヘイブン税制が適用されて日本で課税される可能性もあります。

日本と香港の税制比較
個人の税金
税の種類日本香港
所得税最高 37%2%~ 最高 17%
消費税5%なし
相続税最高 50%なし
贈与税最高 50%なし
投資利益に対する課税10%(上場株)なし
法人の税金
税の種類日本香港
法人税最高 40.69%8.25%~ 最高 16.5%

3.投資環境

金融センターとして投資家を集めて自由競争を促すために、香港は金融規制をできるだけなくしています。
日本では投資できない世界の金融商品が、香港には多数あります。

香港法人の種類有限公司、海外法人支店、駐在員事務所

1.有限公司

日本での株式会社です。
株主、役員 (取締役)、会社秘書役により構成されます。
株主及び役員は1名から登記が可能です。
株主、役員 (取締役)は日本在住の日本人でもなれますが、会社秘書役は香港法人又は香港ID保有者である必要があり弊所で手配をします。

2.海外法人支店

海外法人の香港支店です。
現在のビジネスをそのまま香港で展開する場合や、日本企業としての知名度を利用する場合などに検討します。

3.駐在員事務所

本格的なビジネス展開の前に香港市場を調査する場合などに検討します。
実際の営業活動そのものはできず、広報や連絡などの情報収集活動しかできません。

法人形態比較
個人の税金
現地法人支店駐在員事務所
営業活動不可
情報収集や連絡業務のみ
会社登記所での手続き
現地法人支店駐在員事務所
登記必要必要不要
年次提出書類年次報告書年次報告書及び
本社の決算書英訳
不要
変更関係社名、定款、資本金、登記住所、株主、取締役、会社秘書役、株主・取締役・会社秘書役の住所、氏名の変更は変更登記が必要左記に加えて、本社の登記事項の変更にも手続き必要不要
ディスクローズ
(情報開示)
インターネットによる登記上情報の閲覧可
私的会社(非上場)の場合には財務諸表は非公開
本社及び支店の登記事項はインターネットによる閲覧可。
支店登記時及び最新の本社の定款、登記簿謄本、決算書の英訳も公開。
不要
税務局での手続き
現地法人支店駐在員事務所
税務局登録
(商業登記)
必要
1年又は3年毎に更新
必要
1年又は3年毎に更新
必要
1年又は3年毎に更新
随時提出書類現地法人の社名、登記住所などの変更通知本社の社名、支店の登記住所などの変更通知本社の社名、駐在員事務所の登記住所などの変更通知
会計香港の会計基準に則り決算本社の会計方針に則り決算資産・負債及び経費管理のみ
会計監査毎年の香港公認会計士による監査が必要不要不要
事業所得税
現地法人支店駐在員事務所
申告原則毎年申告及び
納付が必要
税率:8.25~16.5%
原則毎年申告及び
納付が必要
税率:8.25~16.5%
原則課税は発生しないが、数年に一度の申告書提出必要
日本での
法人税申告
実態基準を満たす事により、基本的に日本の法人税は課税対象外非課税
タックスヘイブン対策税制に注意
香港事業所得税の他、日本の法人税法に基づき支店の所得に課税
香港で納付済分は日本で税額控除
本社の所得に合算して申告
税制上のメリット香港での低税率売上高、利益の連結決済
支店損失の本社利益との相殺
なし
雇用主申告書必要必要必要
撤退・法人解散任意清算
裁判所の強制清算
登記抹消
支店閉鎖
閉鎖後1年間は連絡窓口として香港居住者登記必要
事業登記所及び税務当局に閉鎖通知

※tax returnといい、4月に会社から税務署に対し、従業員の年間所得を申告。各従業員に所得税の申告書が届き、各自の控除を申告して納税額が算出。

香港法人設立の注意点

香港法人の設立における注意点です。

会社名英語(必須)と又は中国語(任意)で
登記(併記登記可)
同一か類似名の会社や商標がある場合は
登記不可(商標類似照合調査要)
英語表記は通用しやすい反面、中国との取引は中国語の表記も便利
香港は後株表記で、有限公司は英語でLimited(Ltd.)又はCo., Ltd.が、中国語で有限公司がそれぞれ末尾につく
株主1名以上(国籍居住地不問で法人も可)役員(取締役)との兼任可
役員(取締役)満18歳以上で1名以上
(国籍居住地不問で法人も可)
株主との兼任可
会社秘書役香港IDを持つ個人か香港法人(弊所手配)香港における法定書類を管理
登記事項の変更等があった場合、必要とされる法定書類を公司登記所に提出し保管
議事録などの法定書類を作成・保管し、年次報告書を提出
会社登記の変更などを担当する日本の司法書士同様の業務を行う
資本金(授権資本金≧払込資本金)授権資本金と払込資本金の2つに分かれる
授権資本金は株主の承認なしで株式の発行が可能な限度額で、払込資本金(株式が発行され会社に実際に払い込まれた金額、日本の株式会社の資本金と同じ概念)の額に関らず、株主がこの額までは責任を負う金額の範囲のこと
資本金は通常、授権資本金を意味し1万香港ドル以上
授権資本金がHK$5万でも実際には払い込みがHK$1の場合あり
見栄えを理由に授権資本金を必要以上に大きくすることは避ける(株主が負う責任範囲が授権資本金全額)
登記住所香港法人の登記上の所在地
法人秘書役の住所利用も可能
オフィス物件選定やレンタルオフィスサービスも手配可能
会社設立前にオフィスを用意できない場合(賃貸契約の締結時に商業登記証等の法人書類が必要な場合あり)、住所レンタルサービスを利用して設立登記をし、商業登記証を取得してから賃貸契約を行う
監査役香港の会計士を監査役として指名法人設立後18ヶ月以内に最初の決算報告

香港法人設立の流れ

1.設立目的ヒアリング

香港の法人の設立目的によって会社の内容や形態を決定

ヒアリング事項(例)
  • 会社名
  • 株主の持ち株割合
  • 資本金(通常は授権資本金HK$10,000、払込資本金HK$1)
  • 取締役
  • 会社秘書役
  • 事業内容
  • 本店所在地(登記住所貸与サービス利用可)
  • 会計年度(決算月)
  • 銀行口座開設の有無
ご用意いただく物(例)
  • 株主及び役員となる方のパスポート
  • 株主及び役員となる方の住所のわかる物
  • 住所記載のある公共料金請求書3ヶ月以内の写し 又はクレジットカードの明細の写し
  • 国際運転免許証の写し
  • 株主、役員が法人の場合は法人の登記簿謄本
  • 役員が法人の場合は、1名の自然人役員(個人)の登記も必要

2.類似照合調査 類似登記及び類似商号調査

会社名や類似会社名、商号や類似商号がすでに登記・登録されていないか調査します。

3.会社設立書類の作成

下記書類を弊所で作成します。

基本定款(Articles of Association)
記載事項→社名、登記場所、株主の責任範囲、設立時の株式資本と各出資者の株式取得数
そのほか設立申請書、議事録、株券など登記に必要な書類一式。必要書類

香港法人の登記申請

公司註冊処(Companies Registry:日本でいう法務局)及び商業登記署(Business Registration Office:日本でいう税務署)の2つの機関で登記しますが、公司註冊処での手続きが先行します。

1 公司註冊処での登記
有限公司設立申請書類一式を提出し、登録手数料を支払い、公司註冊処に香港での連絡先を通知します。
公司註冊処より登記証(Certificate of Incorporation)が交付された段階で、香港における法人登記が完了します。
2 株主総会開催(書類作成で、実際の開催は不要)
登記証交付後に株主総会を開催し、株主に対する株式割り当て、取締役、秘書役の任命等を行います。
株主総会議事録を作成し議事録簿を保存します。
3 商業登記処での登記
商業登記処(Business Registration Office)に登記(公司註冊処発の登記証のコピーが必要)。
事業登記申請書類一式を提出し年間登記証明料(HKD2,250)を納付。
商業登記証(Business Registration Certificate)発行後、事業が開始可能に。
4 事後報告など 年次報告書
香港の会社では、変更事項が無くて会社構成(出資者、役員等)の状況報告が年1回、必要です。
毎年の会計監査も原則として義務ですので、会計サポートも継続してお受けできます。

銀行口座開設

商業登記証の発行後、香港で銀行口座を開設します。
銀行口座開設にあたって株主と役員の香港訪問が必要になります。
銀行担当者と面会し、必要書類を作成します。
口座開設後は、香港訪問の必要は原則としてありません。
現状、香港における銀行口座開設は、新規受付が以前に比べて難しくなっています。
審査の面談や事前の対策などを講じることで、銀行によっては口座が開設しやすくなることもあります。
詳しくはお問い合わせください。

香港でのビザ・永住権

ビザの種類説明
ビザなし日本のパスポートを持っている場合、ビザなしで香港に90日間滞在できます。
投資ビザ香港で会社設立した場合に申請するビザです。
就労ビザに比べると事業の安定性や事業計画について審査を経た後に、発給されます。
投資ビザを取得することで、雇用する従業員の保証人となることができます。
扶養家族ビザ投資ビザを取得すれば、扶養家族(配偶者や子供)といっしょに香港に居住できます。
扶養家族ビザを取得した配偶者は、香港での就業も可能になります。
家族を扶養するのに必要な資金と住居があることが条件です。
扶養家族の滞在期限は、申請者本人の滞在期限と同じです。
香港身分証
(IDカード)
香港居住者が持つ身分証明書です。
申請からおおよそ10日ほどで発行され、香港に180日以上滞在する11歳以上の者は、入国後30日以内に発給を受ける必要があります。
外国人、香港人に限らず香港居住者は常携し、提示要求に対応する必要があります。

香港での就労ビザ取得は、香港での法人設立の手続き後に進めます。
香港の永住権は7年間継続して香港に居住した場合に申請する権利が与えられます。

香港法人の設立(資本金80万~100万HKD、貿易事業目的がビザ取得に最適)
銀行口座開設
資本金額入金(営業活動に流用可能)
法人名義で事務所や公共料金契約
就労ビザ申請(法人設立及び法人銀行口座開設、事業開始後)(法人設立及び法人銀行口座開設後4週間以内)
下記書類(原本)の英文書類を準備して申請
  • 証明写真2枚
  • 履歴書(英語)
  • 前職の会社の推薦文又は名刺など前職を証明のできるもの
  • 技能証明書(日本での資格証明など)及びその英訳
  • 離職証明書控(本人作成の英文書類でも代用可)
  • 設立した香港法人で扱う商品サンプルやカタログ
  • 設立した香港法人の事業証明(取引契約書など)
  • 事業所の賃貸契約書及び公共料金の明細
  • 香港法人口座の残高証明書
  • 役員本人の個人口座の残高証明書(日本の金融機関の場合は、英文で発行)
  • 今後3年間の事業計画書(英語)
  • その他の追加資料、補足資料
就労ビザ申請
就労ビザ取得
賃貸契約(居住用)
就労ビザ更新を繰り返し7年居住後に永住権申請

香港法人の閉鎖

香港法人を閉鎖する方法には、会社清算(清算結了にあたり完全に消滅)及び会社登記抹消(登記抹消後も引き続き取締役及び株主に対する責務が存在)の2つの方法があります。

会社清算会社登記抹消
説明会社は完全に消滅
  • 株主又は債権者による任意清算(自主清算)と裁判所による強制清算に分かれる
会社清算より手続きが簡便
  • 引き続き取締役及び株主の責任は存続(抹消後20年は債権者等の申立てにより、登記抹消が取消されて会社登記が復活する場合有)
  • 会社保有資産は香港政府所有へ。
準備帳簿の完備
  • 株主総会の特別決議を通過し、株主過半数の同意
  • 未払債務や未払公租公課が不存在
  • 会社清算手続きを監査・処理する清算者1人を任命
全株主の同意
  • 会社の事業活動停止又は抹消申請日から事業停止3月以上の経過
  • 未払債務や未払公租公課が不存在
期間1年~1年半6ヶ月~8ヶ月
手続き
  • 債権債務の整理
  • 会計監査
  • 税務申告
  • 資産・負債報告書の作成
  • 取締役による会社支払能力証明書作成
  • 取締役会決議(上記の承認)
  • 支払能力証明書提出
  • 株主総会開催
  • 官報公告
  • 会社清算人の任命登記
  • 税務局からのタックスクリアランスレター入手後、残余財産金額の確定と分配
  • 清算報告書作成
  • 最終株主総会開催
  • 上記議事録の提出
  • 清算人の業務終了報告
  • 会社清算完了
  • 銀行口座閉鎖3ヵ月後までの会計監査
  • 税務申告
  • 税務局のタックスクリアランスレター取得
  • 会社登録処に登記抹消申請
  • 官報公告
  • 公告後3ヶ月間に異議申し立てがなければ登記抹消完了

香港法人の貿易ライセンス

香港で設立した会社が貿易業務を行う場合、ライセンスが必要な品目があります。

ライセンスが必要な例

危険な薬物、武器及び爆薬、無線機などの戦略物資、備蓄物資、冷凍・冷蔵の肉・鶏肉、殺虫剤、放射性物質、放射線照射装置、薬剤・医薬品、繊維、オゾン消耗物資、絶滅に瀕している生物、動植物など。
香港への輸出を検討するにあたって注意が必要な品目を説明します。

品目規制やライセンスの要否備考
加工食品食品輸入業者及び卸売業者として任意登録
菓子類
乳製品には衛生証明書添付
アイスクリームなどは輸入許可要
香港食物環境衛生署による
サンプル検査に注意
自動車部品水上輸送は事前に輸送許可要
衣料品
(対中国大陸)
中国内地からの輸出入はライセンス要(香港法規第60A章輸出入条例により、香港工業貿易署に許可書(紡織品)Form7を申請・取得)再輸出商品は、輸入ライセンスのほかに再輸出用の輸出ライセンス要
輸出ライセンス(紡織品) Form4を申請・取得
Form7は発行から28日間有効
申請できる輸入者は、香港で商業登記要
アルコール類度数30%超を含む商品は
輸入ライセンス・倉庫ライセンス要
会社による申請も責任者は香港居住者限定
商業登記証や賃貸契約書等の提示も要
化粧品(医薬品成分含)
薬物毒物条例の規則に従い登録申請し、販売許可要
(医薬品成分が含まないもの)
消費品安全条例に適合すれば許可不要
(医薬品成分含)
薬物毒物条例の対象となり、衛生署衛生福利局が管轄
(医薬品成分が含まないもの)
消費品安全条例に基づき管理
中古車自動車輸入業者/販売者登録要
廃棄ガス及び騒音基準適合要
右ハンドルのみ
自動車輸入申告要
輸入後の登録、車検など税関、運輸署、環境保護署などでの手続き
輸入申告

「第60E章輸出入条例」により、一時輸入貨物などの「通関申告免除物品」を除き、物品輸入後14日以内に輸入申告書を税関長官に提出する必要があります。懈怠した場合、下記の罰金が科されます。

  • 商品輸入後1カ月+14日以内に申告:20香港ドルの罰金
  • 商品輸入後2カ月+14日以内に申告:40香港ドルの罰金
  • 商品輸入後2カ月+14日以降に申告:100香港ドルの罰金
    (税関申告書1件当たりの商品総価額が2万香港ドル以下の場合。2万香港ドル超は各罰金2倍)

[法人・自営業者向け] CCM香港の法人サービス

CCM Hong Kong LTD提携会社CCM Hong Kong Limited

ビジネスチャンス拡大のお手伝い

ビジネスのグローバル化や日本における税制改正が進むなか、海外法人設立、特に香港法人設立の需要が高まっています。
海外法人設立とひとくちに言っても、どの国に設立すべきなのか、どのタイミングで設立すべきなのか、どのような手続きを踏むべきなのかについて情報が錯綜しています。弁護士や税理士との連携のもと、最短3日で海外法人を設立するサービスを提供しています。また、各種登録手続きから銀行口座開設サポート、法人設立後の法人業務に関するサポートまで幅広いサービスを提供し、多くの依頼者からの信頼を得ています。

日本に居ながらにして

法人設立のためにわざわざ渡航が必要となると、手間も時間もかかりビジネスに支障が生じかねません。
提携会社CCM Hong Kongは、海外渡航不要で海外法人を設立し、法人口座を開設するサービスを提供しているため、日本に居ながらにして法人登記手続きや法人口座開設まで行うことで、言葉の壁を克服でき時間的ロスもありません。
日本での生活やビジネスを滞らせることなく、海外法人を設立することができます。
※手続きによっては渡航が必要な場合があります。

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